Way of Life

自分を大事にする環境選び

中島 沙希

雑誌や広告のモデルとして活動しながら、環境問題について発信するプラットフォームを運営し、フリースペースのプロデュースまでも手がける中島沙希さん。アートやアウトドア、読書やドラマ鑑賞など多岐にわたる趣味を持ち、独特な視点と引き出しの多さからは彼女自身の内面にも高く注目が集まっている理由が伺えます。今日は、「櫻井焙茶研究所」と「Experiment」で、ファッションや食への拘り、環境問題に対する考え方についてお話を伺いました。

沙希さんの暮らしについてお伺いさせてください。

モデルがメインのお仕事で、プラットフォームの運営をしたり、最近ではフリースペースのプロデュースも始めました。

『EF.(イフ)』という環境問題について発信するインスタグラムのプラットフォームは、友人のSONYAと2年前に立ち上げました。『EF.』は<Eco Friendly>の頭文字をとって名前をつけて、「"もしも" 私たちひとりひとりの日々の選択が、少しでも未来をよくするのなら。」というコンセプトです。

自分や地球にやさしくなれる情報をシェアするプラットフォームで、オリジナルロゴの入ったエコアイテムの売上の一部を環境保全団体『WWF』へ寄付する活動もしています。

また、所属事務所である『TOMORROW TOKYO』のスペース貸しの新事業『Experiment』のプロデュースをしています。所属モデルでもありながら、運営側にも入っているという少し特殊な立ち位置ですが、元々アートが好きだったというのもあり、単に楽しむ側ではなく、空間を作ったりプレゼンテーションをする側になって、これまでとアートの見方も変わってきました。

プライベートでは、登山やキャンプなどのアウトドアをここ1,2年で始めて、定期的に遊びに行っています。

福岡県出身で、都心部で生まれ育って自然にあまり触れてこないで大人になったので、特に自然に対して親しみがある方ではなかったんです。東京に来てから、少し足を伸ばせば自然豊かな場所が多くあり、撮影でも自然へ行ったりすることが重なり、実は自分は自然が好きだったんだと後から気づくことができました。今では自然と触れ合う時間はわたしにとっては必要不可欠です。

House

現在住んでいるところはどこですか?住んでいる理由や、その場所にした理由などを教えてください。

都内に住んでいます。
今の自分の家は、福岡の実家と周辺の環境が似てる場所だと感じます。実家は天神の近くで、大きな通りに面していたり、駅からの距離や栄えているエリアへのアクセスのし易さが感覚的に似ていて、とても落ち着ける場所ですね。

Fashion

あなたが今 Fashionに対して感じていることを教えていただけますか?

私自身は、基本的に黒い服しか着ないんです。

最初は黒はハズレがないし、おしゃれに見えるなと思って手に取るようになって、ふと気がつけば毎日のように着続けています。ここ2~3年は本当に黒ばかり着るようになりました。

もともと色のあるものも着ていた時も、柄物を選ぶことはほとんど無くて、昔から飽きずに長く着続けられるものを選ぶ傾向にあります。長らく黒しか着ないという基準があるお陰なのか、服は本当に気に入った時にしか購入しないので、常に1軍だけがクローゼットにあります。

また、買う時に自分から手が離れる時のことを考えるのも癖づいていて、買うからにはなぜそれを買うのかというところまで熟考してから購入するようになりましたね。

ものを選ぶ基準は人それぞれだと思いますが、自分のルールをきちんと持つことで、選ぶことも簡単になるし、ものを長く大切にするためのコツなのかもしれません。

例え、自分のところで役目を終えても、次に大切にしてくれる誰かに譲って、みんなで循環できたら嬉しいなと思っています。

これから、Fashionのトレンドや、衣服の役割はどの様に変化していくと思いますか?

トレンドは、今あるものに対して更に更に上塗りをしたり隠すためのものでは無く、ベースとなる自分自身のスタイルに対して彩りを加えたり、自分ではマイナスだと感じてしまっているような”くぼみ”に寄り添って埋めてくれる役割になっていったらいいなと思っています。

みんなが元々持っている個性や内側から出るパーソナルな部分を大事にして、自分らしさを増やすためのトレンドであってほしいです。

そして、ファッションを始め、食や他のどんなことであっても「どうやって今目の前にそれが存在しているのか」を考えて選択ができれば、人や地球にやさしい選択を自然と増やしていけるはずだと思うんです。

Food

食事についてお聞かせください。 食事について気を使っていること、心掛けていることはありますか?

プラスチックごみを減らしたいということは勿論ですが、マイクロプラスチックが海や川の生き物だけではなく、人間の体に与える影響も大きいと知ってから生活の中から極力プラスチックを減らすようにしています。

ストローを使うだけでも口の中で溶け出して体に入り、ラップで包まれたお米をレンジで加熱すれば、熱されたプラが溶けて凝縮されてしまいそれが体の中に入ってしまう。現代の人は 「1週間でクレジットカード約1枚分のプラスチックを体に取り込んでしまっている」なんていう怖い話を耳にしてからは、『EF.』でも販売しているオリジナルロゴの入ったStojoというマイカップや、ステンレスのマイストロー蜜蝋ラップを使ったりしています。あとは食材を大切に保存するためにもシリコン製のスタッシャーを使うようにしています。

最近はじめて『食べチョク』でケールを買ってみたのですが、すごく美味しいんです。ものすごい量がくるので、この所は毎日ケールを食べています(笑)

品質に拘っている農家さんや漁師さんから旬の食材を直接お取り寄せできるのですが、美味しさだけではなく、届く時もダンボールの中に大きな袋に1kgまとめて入って届くので、シンプルで無駄が少なく届くのもゴミが減らせて嬉しいところですね。

わたしは作っている人の顔が見えるものを買いたくて、それは食べ物も洋服も同じ感覚です。顔が浮かぶ人が作ってくれているからこそ、今自分がそれを食べたり、洋服を着たいと思う。当たり前なことなんてないんだなと気づける感覚を大事にしています。

目の前で作ってくださる方の顔が見える。そして、その場で料理をいただくことのできる外食も大好きです。外食は、食事の味についてだけではなく、空間やお店ごとに流れている空気や時間のプレゼンテーションも含めて楽しみたいと思っています。今回撮影でお邪魔させていただいた『櫻井焙茶研究所』では、生産背景を教えていただきながら楽しめるブレンド茶をいつもオーダーしています。いつ訪れても日本ならではの四季を感じられるから、癒されます。空間全てが好きです。

私にとって、自分で淹れるお茶も癒しツールではありますが、櫻井焙茶研究所でお茶を頂く時間は別格なんです。

日本での食の未来はどの様になっていくと思いますか?

食は生きる上で、絶対に必要不可欠なもの。食事は美味しいという感じ方もひとそれぞれで、何を摂るか自分の意志やマインドに直結しているものですよね。

今の時代、自由に日々の食事を選べる環境にありますね。「今日これが食べたい」と思えば手に入るからこそ、ただ食べて終わりではなく、背景を知った上で、どういうふうに体に取り入れていきたいかを考えていかないといけない時代だと思います。

私自身は生活の中で一番お金をかけていることが食なんです。家での料理も外食もどちらも好きで、毎食絶対に美味しいものが食べたいと思っているくらい食事に拘っています。

実は、高校・短大のとき料理学校で学び、栄養士の免許も持っているので、料理を仕事にしようかなと思っていた時もあったくらい。もし全部自分で作った背景が全部見えるものを食べることができたら、それはとても幸せなんじゃないかなと思っていて、自給自足にいつか挑戦してみたいです。そしてこれから多くの人が畑を持つ流れが来る気がしています。

Past / Present / Future

この数年間で、自分の意識、関心はどの様に変化していきましたか?

環境問題を意識して取り組むようになったのは、『EF.』を一緒に運営しているSONYAと出会い、プラスチックの問題や環境に関する様々な話を教えて貰ったことがきっかけでした。その時に、本当に知れて心から良かったと思ったので、わたしと同じように知ることができたら嬉しい人が居るはずだと思い、人に伝えていくことを始めようと思い立ちました。コロナ禍で構想し、現在は立ち上げて3年目になります。

2周年のイベントとして、石鹸のハンドメイドワークショップや、使わなくなったコスメをクレヨンにアップサイクルする回収BOXの設置をしたり、モデルのみんなとフリーマーケットをしたりと、学びの場も兼ねたイベント『ECO FRIENDLY MARCÉ』も開催しました。

環境問題のことを知れば知るほど、生きる上で環境に対してどの方向からでも配慮した矛盾のない行動をとることは難しいということをひしひしと感じています。微力かもしれませんが、今後も情報を伝えていくこと、身近な生活のアイテムをエコなものに変える選択肢の提案を続けていけたらと思っています。

また、わたしにとって本との出会いも、意識を変える大きな存在です。基本的に本は自己啓発やエッセイしか読まず、フィクションはドラマや映画で楽しむスタイルです。特に影響を受けたものは、大宮エリーさんの『思いを伝えるということ』、最近だとレディーダックさんの『私は私に時間をあげることにした』。あとは、松浦弥太郎さんの『伝わるちから』『いちからはじめる』は昔から何度も繰り返し読み直している宝物です。

本との出会いで、行動の仕方、人との向き合い方、社会に対する関心も変わったので、読書は今の自分を作ってくれた大切なものです。

今、興味のあること、今準備をしていることはありますか?

『Experiment』のプロデュースに力を入れていきたいと思っています。

6月にオープンし、現在は写真展やファッションの展示会、フリーマーケットでの貸出メインで、あとは撮影の時のヘアメイクのベースとしてご利用していただく方も増えてきました。7月には真隣のスペースをメインのオフィスとして借りることになり、今の場所は完全にフリースペースのみの運営になる予定です。今後は、展示の企画を提案していく動きもしていきたいと思っています。

『TOMORROW TOKYO』は、わたしが最初の所属モデルとして、わたしと社長、そしてマネージャーの3人でスタートしました。3年が経った今では30人以上のモデルが所属し、モデル以外の活動のことも応援してくれる事務所で、わたしはモデルとして所属しつつも運営側にも入っているので、これまで以上にメンバーとはプライベートのことも日々考えていることもディスカッションしています。

社長はサーフィンが好きで海の近くに住んでいて、毎日オフィスのある渋谷まで通っているのですが、ビーチクリーン活動をしていたり、オンライン相談という形で、モデルになりたい子だったりの相談に乗り、その売り上げで青少年支援の活動をしていたり、社会が良くなることに繋がるアクションを起こす事に前向きな事務所なんです。

これからやっていきたい事は、パーソナルな表現をする活動として、本を出したりコラム執筆などの書くお仕事を増やしていけたらいいなと思っています。

実は、超がつくほどのテレビっ子で、日本のドラマのファンで毎クール録画して見るくらい、出演する俳優さんが出る番宣のバラエティも含めて徹底的にチェックしています。本当にこのご時世珍しいと、びっくりされるのですが(笑)。自分が大好きなドラマのことを書き物で表現することが出来たら理想です。

モデルとしての輪を超えて、伝えていきたいことをアウトプットする場所が幅広くあったらいいなと思っています。

これから、私たちの暮らしはどの様に変化、進化していくのでしょうか?また理想の未来などがあれば、教えていただけますか?

コロナ禍を経験して、みんなが自分自身を知る機会が増えましたよね。

幸せの考え方もきっと変化して、好きな事、心地いいと感じる環境が明確にわかる時代だからこそ、より「自分を大事にする環境選び」が衣食住すべてに関してアップデートされていくと思います。

これからは、みんなが自分の幸せのために生きていく未来になっていくんじゃないかなと感じています。

Style

普段から黒いアイテムしか着ないので、今回もすべて黒でスタイリングしました。

特にサテンのシャツとパンツのセットアップのスタイリングが凄くしっくりきていて、古着をメインに着ていた時代もサテンのシャツを収集していたくらいツヤツヤした素材が大好きで、さらに黒という、わたしにとって最強な組み合わせのアイテムです。滑らかでとろんとした肌触りで、ストレスのない着心地がとても良かったです。洋服の肌触りって、1日を気持ちよく過ごす上でとても重要ですよね。

以前から、MOUSSYのヴィジュアルなどでモデルとしてお世話になっていたご縁で、M_のローンチ時にRIBBON HANDLE ECOトートを頂いたことがきっかけで、M_を知りました。

数アイテムだけサスティナブルアイテムがあるという形ではなく、MOUSSYから、M_としてしっかりと切り分けたブランドを作ることに、環境問題に対して真摯に向き合う姿勢を感じました。

Saki Nakashima

中島 沙希

福岡県出身 福岡でモデル活動をスタートしその後上京。
国内外のモード誌、ビューティ誌に数多く出演。
2020年よりモデルのSONYAと共にサステナブルな情報を発信するプラットフォーム「EF.」を始動、読書やアートへの関心も高く自身も美術館などを回るなど多岐に渡り活動する等を経て、フリースペース Experiment のプロデューサーに就任。今後はモデル活動、サスティナブルな情報発信やアート展などをプロデュースしていく予定。

Instagram https://www.instagram.com/saki_nakashima/
Web https://www.tomorrowtokyo.com/sakinakashima/

Experiment

渋谷と原宿の真ん中に位置し常にその発展を担いながら、まるで実験場のように新たなカルチャー生み出してきた渋谷区神南ファイヤー通り。
その1階路面に新たな発信と実験の場として誕生し、展示会、ポップアップ、撮影、講演などあらゆる表現に対応するマルチパーパススペース。

https://www.experiment-archive.com/